子育てをするうえでの課題や問題は、子育てのことだけを考えても解決策が見つかることはほとんどありません。
なぜならば、
家族の日常生活やお母さんお父さんの仕事、
こどもの性格やお父さんお母さんの性格、
じいじばあばが近くに住んでいるか、
頼れるママ友パパ友がいるか、
保育園の預かり時間は何時までか、
などなど、
一つ一つの家族をとりまく環境によって、最適な形は異なっているからです。
「こどもが、嫌なことがあると、すぐにかんしゃくを起こして大変です。」
こんな、ご相談を受けることがよくあります。
永遠のテーマといってもよいくらい、今も昔もこの手のお悩みは多くあります。
よくあるテーマなので、このテーマに関する書籍はいっぱいでていますし、専門家の先生方がいろいろと解決策を提示してくれております。
その代表的な例が、「こどもに気持ちに寄り添って、こどものやりたい気持ちに共感してあげましょう」といったものです。
こどもがかんしゃくを起こしているのは、「何かやりたいことがあって、それが実現されなかったこと」それ自体ではなく、「やりたい気持ちを受け止めてもらえなかったこと、共感してもらえなかったこと」である、というものです。
かなり一般化されていて、当てはまるケースが多いソリューションだと思います。
例えば、晴れた日の保育園登園時、
朝寝坊して少し忙しい朝、
朝ご飯を食べさせ、
遊びたい主張するこどもを何とかごまかしつつ、
着替えもさせて、
何とか玄関にたどり着いて、
なんとかギリギリ間に合った。
かと思ったら、
なぜだか長ぐつを履くと言い出して、
あげくカッパを着ていくだの、
傘も持っていくだのと言い出す始末。
「うん、長ぐつ履きたいのね。
でも、長ぐつもカッパも傘も雨の日に使うものだね!
今日は晴れているから靴を履いて、
カッパと傘はまた今度雨が降った日に持っていこうね!」
って、やさしく言ってみたのに、ギャン泣きスイッチオン…
なんて、結構多くの方がご経験されているものだと思います。(当然、筆者もそんな経験たくさんあります)
こんな時は、「どうして長ぐつを履きたいの?」
と聞いてみると、
「今日は、このアンパンマンが書いてあるこの長ぐつを履きたいの」
なんて答えが返ってきて、
「長ぐつ履いていくと、公園で遊べないけど、それでもいい?」
と言うと、
「公園では遊びたい、
でも長ぐつを履いて保育園に行って、
先生にこのアンパンマンを見せてあげたい」
なんてことを言ったりします。
「じゃあ、長ぐつ履いて行くと歩くのが遅くなって、
お父さんお母さんは会社に間に合わなくなっちゃうから、
長ぐつは持って行って、
保育園に着いたら長ぐつを履こう!」
なんて、言ってみると、
「うん、そうする!!」
なんて、ご機嫌で言ったりすると思います。
大人だとついつい、
「おいおい、カッパと傘は何だったんだよ…」
なんて、突っ込みを入れたくなりますが、
何かやりたいという気持ちが満たされた、
お父さんお母さんに分かってもらえた、
という満足感で、そっちはもう忘れてしまっているのです。
確かに、理解できるし、やってみたらそんな風にうまくいくかもしれないけれど、
「遅刻するかしないかのギリギリの状況で、こんなやりとりはできっこない!」
という風に思われる方が大多数かと思います。
そう、このようなシチュエーションになってしまった時点で、ほぼ勝負は決まっていて、こどもの気持ちに寄り添っている時間なんかないのです。
なので、このようなケースにおいては、むしろ「なぜ寝坊してしまったのか」という点にフォーカスを当てて、解決策を考えるべきなのです。
たまたま寝坊してしまったということを除けば、たいていは「疲れていた」につきると思います。
では、何で疲れていたのか?
平日にたまった家事を週末で片付けたので、土日もひっきりなしで動いていた
のかもしれないし、
平日に終わらなかった仕事を、家に持ち込んで、こどもが寝静まった日曜日の夜に何とか終わらせた
のかもしれない。
そうすると、
問題は「お父さんお母さんに時間的余裕がないこと」
なので、
解決策は、「誰かに子どもを預けて、家事や仕事を片付けてしまいましょう!」
なのです。
そう、解決策は、
「こどもの気持ちに寄り添いましょう!」
ではないのです。
まずは
「こどもの気持ちに寄り添える余裕を作りましょう!」
なのです。
なので、このようなケースにおいて、今お父さんお母さんのやるべきことは、
育児書を読むことではなく、じいじばあばや友人知人にこどもをあずけましょう
なのです。
頼れる人が近くにいない人は、一時保育を利用するか、今すぐキッズラインやタスカジなどの有料サービスを申し込むことなのです。